先日の方言劇の様子
12月8日に砂美地来館で行われた方言劇の様子です。
方言劇「空亡」
監督 白戸直子/脚本 末吉功治
<科学が発達し、便利になった未来の与論島の人々は次々に出てくる新しいものを取り入れ、昔ながらの知恵や言葉を疎かにし失われつつあった。ある日空亡と呼ばれる不可思議な現象に見舞われた島に、突如妖怪たちが現れ・・・。人間は妖怪たちから島を守ることができるのか?>
「空亡」の前触れか、海には魚の気配がなく、不気味に静まり返っていた。漁師たちは「こんな海見たことがない」と首をひねる。
冒頭、脚本を書いてくださった末吉さんが漁師役で登場。写真の青いカッパを来ているのが末吉さん。末吉さんはなんと、、、沖縄のご当地ヒーロー「琉神マブヤー」の「ガナシー」です!漁師1と2は、竹内さんと小高くん。
小高くん、ちょっぴり緊張しております!
この方言劇は島の方言を後世に伝えていくための取り組みで、昨年初めて行われ、今年が2回目になります。島に住んでいる人なら誰でも参加可能。本番に向けて稽古を重ねます。方言を普段あまり使わない若い島人や旅人も、方言でしっかり演技していました。
妖怪「海入道」役の吉田さん。役者顔負けの迫力のある演技で観客を引き込みます・・・!
島を支配しようと人間たちに殺し合いをさせる「海入道」。人間たちは逆らえず、次々と子が親を殺し・・・島はどうなってしまうのか?
方言と標準語両方で話が進んでいくので、方言がわからない人にも内容が理解できるのがこの方言劇の一つの魅力です。老若男女、島人旅人問わず楽しめます。子どもたちも食い入るように見ていました。
ヨロン島出身のシンガーソングライター川畑アキラさんは主人公「一郎」のアチャ(お父さん)役で登場。赤い衣装を着ているのは妖怪「イシャトゥ」役の南館さん。かわいい妖怪さんです!
「海入道」の暴走を止め知恵比べを提案した「イシャトゥ」。一郎はアチャの知恵を借りて次々と難題に答えていき・・・
最後は無事、人間が勝って島を守りハッピーエンドです!エイサー隊「舞弦鼓」も混じって皆で踊ります!でも妖怪たちが教えてくれた事も、忘れてはいけません。
「古いものだって時々は思い出してくれよ・・・忘れられるのがいちばん、悲しいからよ~」
方言はただの古い言葉ではなく、「誠の心」や「島の情」といった島人の魂の宿るものだと、筆者は考えております。
その心や魂と共に島の言葉を学び、受け継いで行きたいですね!
出演者の皆さん、白戸監督、脚本の末吉さん、関係者の皆様、お疲れ様でした!素晴らしい舞台をありがとうございました!